2018年03月04日

「干物妹ランサムウェア」検体の挙動確認

 干物妹ランサムウェアという、怪しげなマルウェアの存在をMalwareHunterTeamさんのつぶやきで知ったので、検体を入手して解析してみました。

 結論からいうと、つぶやきにあるとおり、暗号したファイルの復号が容易であり、ジョークソフトとしか思えない。でも、いわゆるウイルス作成罪(不正指令電磁的記録に関する罪)に該当すると思います。冗談半分だったのかもしれませんが、マルウェアを作成・公開することはやめましょう・・・。

検証環境


[感染パソコンの環境]
  • Windows7 Home Edition SP1 32bit版(VMwareの仮想マシン)
  • Microsoft .NET Framework 4.7.1
[検体情報]
  • ハッシュ値(SHA256): dde7c1c88adce965134af781ad7efa3cb75a4f2cc028b1de2741d05184881602
  • 検知名(トレンドマイクロ): Ransom_Genasom.THBAFH

検証結果

(1)感染時の挙動

検体をエクスプローラでダブルクリックして実行したところ、ドキュメントフォルダ内のテキストファイル(.txt)、ワード文書(.doc)が暗号化されるとともに、拡張子が「.干物妹!」に変更されました。
Screenshot1 infected desktop

(2)復号

検体をコマンドプロンプトから「-recover」オプションを付けて起動したところ、暗号化されたファイルが復号化されました。
Screenshot2 recoverd desktop

(3)解析

検体は.NETアプリケーションであり、ILSpyで解析することでソースコードを確認することができました。
難読化もされておらず、素直なコードです。スクリーンショットには、複号用オプション「-recover」が指定されたか確認するコードが写っています。
Screenshot3 IRSpy

補足

 「干物妹」は、「ひもうと」と読むそうです・・・。勉強になりました。

posted by やまと at 18:26| Comment(0) | 実験日誌
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